07.05.19 07年3月から、電子マネーを使い始めてみました。カードタイプもありますが、基本的にはDoCoMoが「おサイフケータイ」と呼ぶ、携帯電話にダウンロードするタイプを使ってます。
まず、基本的なウンチクはここのFeliCa特集が詳しい。
カード型を使わない理由は、持ち物が増えるから。どのみち携帯電話は持ち歩くから、その中に格納したほうが便利。

この話をすると、必ず聞かれるのが「ケータイなくしたらどーすんの?」ということ。その場合、「ケータイも財布と思う事にした」と答えてます。
20代後半より上の世代は「財布は大切なモノだけど、ケータイは置き忘れても仕方ないモノ」と認識してる方が多いようです。
ここは発想を転換して、携帯=財布と思うことにしました。
DoCoMoが“おサイフケータイ”と命名したのは案外、本質を突いているかもしれません。

クレジットカードやおサイフケータイだと、いくら使ったか分からないからイヤと言う方も、アタマを切替るのに時間がかかるかもしれません。
そんな人に限って、自分の資産がいくらなのか答えられないケースがほとんど。
自分のキャッシュフローとストックを把握していれば、決済を先延ばしして、その時間で運用したり利子がつくことは理解できるし、手許に現金を置いておくこと自体が、資産に不利なことも分かるハズ。
少し理屈ぽくなりましたが、自分もアタマを切り替えるのに1年半ほどかかりましたから(^^ゞ

そうは言っても、おサイフケータイが普及するには時間がかかりそう。07年4月10日発表で2,000万枚を超えた Suica (PASMO)も、モバイルSuicaの登録者数は少ないらしく、関東でも利用してる人は少数派でした。
さて、一度アタマを切り替えれば、現金を現金よりも流通性の劣る電子マネーにチャージすることの愚行も、理解できると思います。

現金よりも有利に電子マネーを使う条件は
 ・クレジットカードからチャージする
 ・支払い前にチャージするプリペイド式でなく、自動的にチャージされるポストペイ式
 ・使用できる店舗が多い
現在、上の条件に最適なのは Pitapa ですが、関西圏外では使いづらいしケータイに非対応なので、次点で 「iD」。
ただ、この手のインフラは理屈よりもシェアを取った者勝ちなので、今の時点なら Suica が一歩リードしてるかもしれません。
JR北海道や札幌市営地下鉄も Suica導入 を決めてるし、ICOCAと相互利用できるようになる様子。
東日本軍門下にあるJR北海道は、運用実績がある Suica をそのまま導入すればいいからラクだよなー。

話しは脱線しますが、北海道は関西や東海のように自力で導入を進めず、東京にぶら下がる発想をする地域なので、道州制導入と言われても時期尚早とか、財政的な裏付けがないとか、ワケ分かんない言い訳をして引っ込み思案になるのでしょう。北海道は大好きですが、この点はいつもイライラします。
さて、実際にモバイルSuica を使った感想は「便利」のひとこと。メインの移動手段が公共交通機関で、交通機関以外でも使える店が予想よりも多かったのがポイント。
プリペイド式は不便と思ってたものの、もし現金ならATMに並ぶ必要があるワケで、それに要する手間と時間を考えると、携帯の通話圏内ならどこでもチャージして使えるから便利と思えるようになりました。
ただプリペイド式の場合、チャージした金額は次のカード締日までに使いきらないと不利になります。これが、ポストペイ式のほうが金利的に有利な根拠です。

今回の関東行脚は、移動日を含めて5/9-18の10日間。この間、金種別の支出金額割合は
・現金:42.2%
・電子マネー:28.0%
・クレカ:29.8%
電子マネーとクレカを同類と考えれば、キャッシュレス率は57.8%でした。
個人的には現金が40%を超えたのが不満で、20-30%が当面の目標。
将来には現金の比率を10%未満にしたい。
今後の普及を考えれば、ローソンが Edy を導入したり、イオンが独自のワオンにこだわらず Suica や iD も並行導入するのは良策。逆に、現金チャージしかできなくて、独自路線のセブン&アイの nanaco は雲行きが怪しいと見ます。最近、セブン&アイに今ひとつ勢いがない理由は、この先見性のなさや驕りさえ感じられる独自路線のせいかも。
意外と使い勝手が良さそうで、釧路でも使える場所が多いのが QUICKPay。
でも、実際に使用額が一番多いのは Edy です。
これから、共通読取端末は普及していくと思いますが、そうなると本当にサービスや使い勝手が比較されるので、あと数年でケリが着く?

現金取引がなくなることはないでしょうが、電子マネーは小売店の負担・消費者の待ち時間がクレジットカードより少ないし、「現金決済はコストがかかり、キャッシュレスは低コスト&安全&エコロジー」なので、加速度的に普及が進むと見ています。

07.05.20 電子マネーに限らず、ポイントサービスをしている店があります。
会計的に見た場合、ポイントはその店に対する自分の資産でなく、自分の資産をその店に貸し付けていることになります。帳簿上も「負債」で計上するようです(諸説あり)。

つまり「客が店へ貸し付けた金」ですから、なるべく早く返してもらわないと損をします。借金なので、店側は貸付期間に応じて利子をつけて客に返すべきものですが、ポイントが増える店なんてありません。無利子で客から金を借りている状態なので、1日でも返済を伸ばせば、金利収入を得たことと同じです。ポイントが即日使えない店が多いのも、そういう事情です。

ポイントには使用期限があります。店にとっては「ポイント=客への借金」です。普通の借金なら期間が長引くほど利子も大きくなりますが、利子を払う必要のない借金ですから、税務署もこのあたりを突いてくるのでしょう。借金を帳消しにできる期限を設けているわけです。帳消しになったポイントは店の収入として、帳簿上確定されます。客にしてみれば、付いてしまったポイントはなるべく早く使うのがベターになります。
「使用期限なし」のポイントもありますが、将来借金を踏み倒すかもしれないと明言してるのと同じですから、これも早く使ったほうが吉。

店の立場から言えば、値引きするよりもポイントを付けたほうが有利です。とくに飛行機代のように消費者の選択肢が限られている場合、運賃を下げるよりもマイルをつけた方が有利。JR が Suica でポイント制を始めるのも事実上の値上げで、初期投資回収が済んで減価償却が進むほど、収益は増えることになります。JR東日本は電車に乗った場合にはポイント付与しないようですが、次に値上げするときに「値上げするかわりにポイントつけまーす」なんて言い出すかも。値上げ+ポイント付与で、二重のぼったくりですね。

ここで結論。金額が他店と同額でクレジット払いができて、さらにポイントが付いた場合。。。ここで初めて検討する価値が出てきます。
つまり前提条件をクリアして使い方を誤らなければ、ポイント利用はお得になる場合もあります。

ポイントは店にとって「客の囲い込み」効果もあるので、購入した店だけでなく、他の店で使えると消費者には多少の恩恵があるように感じられます。(結局、グループ会社や提携企業の囲い込み範囲内ですが)
で、他の店でもポイントを使える可能性が高いのが電子マネーのメリット。やっと、電子マネーの話に戻りました(^^)
07.05.26 5月25日、JR東日本はモバイルSuicaの会員数が5月24日に50万人を超えたと発表。
Suica全体の発行数は2042万(4月末の数字、このうち電子マネー対応Suicaは1686万枚)なので、約2.4%がモバイルSuica。

会員数は伸びたものの、当初の目標=1年で100万人 には届いてない。
6月1日から始まる「Suicaポイント」も登録しました。でも、釧路ではネット決済以外に使える店がない(^^;)
07.06.17 JR北海道、2008年秋にICカード乗車券「Kitaca」を導入予定。
エゾモモンガがキャラクター。2009年予定から早めるのはいいけど、札幌市営地下鉄の発表はなし。道内の鉄道なんて数社しかないんだから、札幌でとっとと規格決めないと話が進まなくなるでよ。