2004.04.30(金)、ニッコー氏と二人で「早池峰山」に登ってきました。
「早池峰山」

早池峰山は学生時代から登りたかった山だけど、なんせ東北は関西から遠い。18きっぷを使っても移動時間だけで相当かかるから、計画が立てられなかった山です。その後、僕が北海道に越して昨年7月ニッコー夫妻が来釧したときに話を持ちかけて実現したのが今回の山行。10年越しの実現に、感慨もひとしおです。

登山口に着くまでは4月の日記を見てもらうとして、今回ひさしぶりの山登りだから気合いを入れて計画書を作りました。昭文社の「山と高原地図」はICI石井の通販で購入したものの、国土地理院の2.5万分の1地形図はどうするか。調べたら試験公開とはいえカラーで見られるようになってました!しかもこの地図、昨年発表された規格に一部対応しており、Javaを使って地図間移動もスムーズ。地図の掲載URLにリンクを張ることもできました。
国土地理院の地図がDLできるなら可能性は広がります。今回、十何年ぶりに概念図を描いてみました。パソコンがないときは、地図の上にトレーシングペーパーをのせて描きました。今回、DLした地形図をイラストレータで下絵として展開し、頂上・稜線・尾根線・谷線・ルートを描き込んでいきました。PCだから何度でも修正できるし、一通り描いた後でも尾根線だけを選択して線の太さや線端の処理を変更するなんてのも思うまま。描いたことある人は分かると思いますが、イラストレータが概念図を描くのにこれほど適したツールだと思いませんでした。

さて、そうやって作成した計画書を提出し出発。僕の左後方が林道へクルマの進入を防ぐゲート。駐車可能5台と書いてあるとおりで、当日は足立ナンバーのクルマがもう一台あるだけでした。

ところで、早池峰山は花が美しいことで有名で「山開き」はまだ一ヶ月ほど先。南側の河原坊がメインルートですが、まだ道路も開通していないとのこと。ニッコー氏に地元の役場に問い合わせてもらった結果、北側の門馬から入山することができるとの情報を得たので、北側ルートで登ることにしました。

早池峰山国定公園です。ここに来る前はあまり人の歩かない登山道と思ってましたが、入山口にこんな大層な看板まで設置されてました。写真提供ニッコー氏

登り始めてしばらくはハイキングコース。といっても流されている木道が多いんですが、写真のような立派な橋が20箇所ほど架設されてました。

この手の橋は以前ならアウトドアの気分を損なう気もしましたが、9年前に架設されていて、ある程度「なじんで」ました。頂上まで続くワケでもないから、安全なアプローチとして意味があるし、社会的にも有意義だなぁ。

沢沿いに歩く、快適なハイキングコース。写真提供ニッコー氏

ハイキングコースの終点=登山道の始点、に神社があり頂上までの5合目になります。信仰の対象として宗教登山されてきた山らしく、鳥居がありました。ここで山の神様に入山のご挨拶。

5合目を過ぎてから雪が多くなりました。6合目付近からはアイゼンとロングスパッツを装着し、ブナ・カツラの大木が連なる美しい林を快適にトレッキング。雪質もよく、しゃこんしゃこんと、アイゼンと雪が絶妙にからんで歩きやすい。

アイゼンとロンスパ使うなんて何年ぶりだろ。ニッコー氏は今回のためにアイゼンを新調して見えました。

自分のアイゼンはSALEWAのチタンのステップイン・モデル。それを革靴に無理やり装着したから、よく外れました。ロンスパもキャラバン社製のシンパテックスモデル。どちらも紛失してから再購入したこと自体を忘れてるほどでした。前のアイゼンはcharletの一本締めタイプ、ロンスパはIBSオリジナルでした。ロンスパの留め具はベルトやゴムよりも、IBSみたくワイヤ式のほうがいいな。

ところで、PETZLとcharletは合併したんだっけな?charletが工事用品部門を分離したんだっけな?忘れちまいました。。。

7〜8合目は傾斜も急になってきました。それでもアイゼンがあれば楽勝。

今だから言えますが、ピッケルがあったほうが安全な場所もいくつかありました。すんません〜>ニッコー氏

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8合目くらいが森林限界線で、振り返ると素晴らしい眺望が。

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8合目で昼食。山で食事を作る気力もなく、二人ともカップ麺。

「山では何でもおいしくなる」法則はもちろん健在(笑)

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8合目を過ぎると、山岳地帯らしくなりました。

見晴らしも良いんですが、これから登る先が見えすぎるので気力も萎え気味。今回の山行は、ニッコー氏が圧倒的に元気でした。おかしいなぁ…朝は酒臭かったのに(笑)8合目で帰りたくなったほど、えんえんと登りが続きます。というより、もう登りたくないほど。

標識を見つけられなかった9合目付近を過ぎて、いよいよ頂上直下のファイナルアタックです。

タバコのCMみたく、白の世界でした。今回は同ルートを登る人がいなかったので、ここを自分達だけの世界のように歩くことができました。気持ちよさそうに見えますが、気温も高いので実は汗だくです。

宗教・信仰登山の頂上らしく、ほこら等がたくさんありました。ひと足早く頂上に着いたニッコー氏。写真提供もニッコー氏

やっと着いた頂上。やっぱり、一等三角点を押さえて記念撮影。だらしない格好なのはしょうがないっすね(゜゜)☆\バキ

山頂から南側斜面を見下ろす。目の前のピークが薬師岳で、その手前のコルが小田越。林道が通っているのが分かります。夏道のメインルートはこの斜面ですが、ここから見て「北側ルートにして大正解」とニッコー氏と同意。

頂上にある山小屋も閉鎖中。冬期は2階の小窓から出入りするようになってますが、窓が小さいので野鴨の会長だと無理だな。

その冬期入口。窓の高さは50〜60cm。写真提供ニッコー氏
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下りも快適な春山を堪能できました。

  • 快適に下山できると思ってましたが、かなり気温が高かったので、高度が下がるにつれて雪を踏み抜くことが多くなり、疲労してきました。
  • おまけに道に何度か迷い、クルマのある場所に戻ったのは18時を過ぎてました。
  • あわてて旅館に電話しようと思ったものの圏外。しばらく山を下ってやっと繋がり、心配してる家族にも遅くなったと電話したら「あ、下りてきたの?」とあっさり言われた「学生+10年」の二人組でした(^^ゞ
  • ちなみにこの日、登山口に近い区界(クザカイ。アメダス標高760m)では最高気温17.6度でした。頂上で換算すると10.7度もあったことになります。暑かったワケだ。
下山して向ったのが台温泉にある「観光荘」。ネーミングはともかく、この温泉街は湯元なので循環してないとのこと。湯質はナトリウム-塩化物・硫酸塩素。靴ずれに強烈に効きました。

部屋まで食事を持ってくる宿もひさしぶりですが、料理もおいしく温泉も静か。温泉は内湯の桧風呂以外何もありませんでしたが、それでも「大アタリ」と感じずにはいられない宿でした。旅館の入り組んだ構造が、筋肉痛にはチト厳しかったですが(^^ゞ

今回の写真は撮影条件が高コントラストだったので、補正したらいびつな写真が多くなってしまいました。色を合わせることよりも、自分の目で見た感じに近いようにしたので、照り返しの明る過ぎる春山の気分でごらん下さい(^^;)